STAP細胞発見 エレファントよりエレガント
理化学研究所による新しい万能細胞(STAP細胞)の作製成功は世界に衝撃を与えました。 ニュースを観ていて理化学研究所も美人の広報の人がいるものだと思っていましたが、まさか研究者本人の小保方(おぼかた)晴子さんだとは思っていませんでした。 STAP細胞も驚きですが、30代の理系女子がノーベル賞候補になりそうなのも凄い。 本来、再生医療に必要とされている何にでも変身できる細胞はES細胞でした。 これは生物が受精卵から細胞分裂してできるのを利用しているため、倫理的な問題等がありました。 これをブレイクスルーしたのがiPS細胞です。 iPS細胞は、遺伝子を操作することで細胞をリセットさせる画期的な発見でした。 しかし、遺伝子操作は生物の情報そのものに手を加えるため、工程が複雑で癌化のおそれ等も指摘されています。 いわゆる数学でいうところのエレファント(非常に大掛かりな仕掛け)な解です。 そして、生物学が遺伝子と呼ばれる情報の操作に突き進む中で、まったく別のアプローチが登場します。 それがSTAP細胞です。本来細胞の持つリセットの機能を化学(科学と区別するため”ばけがく”とも呼ばれる)な刺激で実現する。 小保方(おぼかた)晴子さんは、元々化学出身なので全く細胞のリセットのさせ方の考えが異なっていました。 いわば、大勢が歩いてエベレストの山頂を目指していたのに、3人ぐらいでヘリコプターでエベレスト山頂に着いてしまったようなものです。 これが数学で言うエレガント(非常にシンプルでカッコイイ)な解。 去年、世界的に権威ある英科学誌ネイチャーに投稿した際は「過去何百年の生物細胞学の歴史を舐めるな!」と言われたらしい。 きっと、この発表を聞いて「えー、ありえねー!!」って脱力している研究者が多いと思います。 科学の面白いところは、エベレストの山頂に立つことがゴールであり、その立ち方(アプローチ)は無限にありうるということです。 アプローチは最も知的なゲームでもあります。 しかし、何を勘違いしたのかオカモト理研の株が上がったとのことですが、理化学研究所は独立行政法人で旧国立の研究所です。 関係はありません。