映画「スティーブ・ジョブズ」 スーツとギークの間
映画「スティーブ・ジョブズ」を観ました。
Appleの創設者スティーブ・ジョブズの1971年から2011年までを描いたドラマ映画です。
かなり、マニアックな内容なので私のようなAppleファンでIT関係の人以外に観る人がいるのかなと思っていましたが、それなりに観客がいました。
アシュトン・カッチャー演じるスティーブ・ジョブズ、かなり雰囲気は似ている。
映画は、ステーブ・ジョブズがガレージからAppleを起業して、一度Appleを追い出され再びAppleに戻り、iPodを発表するまでの期間が描かれています。
かなり、スピーディな展開のため、Appleの歴史をそれなりに知らないとストーリーについていくのは大変です。
面白いのはAppleコンピュータが創設された、ステーブ家の実際のガレージが撮影に使われています。
ガレージバンドってMacの音楽ソフトも示すように、アメリカのベンチャー企業は、ガレージから出発するモノが多い。
典型的な、コンピューターおたく(尊敬を込めてギークと呼びます。)として描かれています。本人からもクレームが来ているらしい。
彼がいなかったら今のAppleはありません。何故なら実際にコンピューターを作ったのは彼です。
スティーブ・ジョブズによってペプシコーラから引きぬかれたジョン・スカリー。
シリコンバレーでは、スーツ族(スーツを着た人たち)と呼ばれている。皮肉なことに彼は最後スティーブ・ジョブズをAppleから追い出します。
この映画で象徴的なのは、コンピュータとかにはあまり興味のないスーツ族とコンピューターが大好きなギークの対比です。
そして、どちらにも属さないのがスティーブ・ジョブズ。
Appleは、組織が大きくなると、どんどんスーツ族が増えてつまらない会社になっていきます。最終的に業績が下がり買収の話が出るほどになります。
そして再び、スティーブ・ジョブズがAppleに返り咲きます。
Appleが必要としていたのはイノベーション。
イノベーションに必要なのは、スーツ(ビジネス感覚)とギーク(技術に対する感性)と間にある、ビジョンとパッションとこだわり。
そして、工芸・芸術・音楽に対する深いリスペクトです。
この映画は、スーツ族へのメッセージ、人を惹きつけるモノの作り方のレシピでもあります。
でも、スティーブ・ジョブズの下では働きたくはありませんね。
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