故郷と対峙する時 Stingの場合
昨日(10/22)の、スーパープレゼンテーションは私の好きなミュージシャンStingでした。
StingはイギリスのロックバンドThe Policeの元メンバーでボーカル、ベーシスト。
The Policは70年代後半から活躍しだしたパンクでもなくニューウェイブでもなく独自のレゲイを取り入れたサウンドが好きでした。
The Police - Every Breath You Take
一番好きな曲です。
1983年MTVが真っ盛りの頃の作品、ストイックでタイトなサウンドが今聴いてもカッコイイ。
ポリス解散後は、ソロになり自分のアイデンティティを求め、ニューヨークへ渡ったり、イタリアのトスカーナに住んだりしている。
Sting - Fields Of Gold
文句なく一番の傑作、多くのミュージシャンがカバーする。
一番印象に残っているDVDは、偶然にも9.11の日にイタリアのトスカーナ-のStingの別荘で行われたプライベートライブの映像。
ミュージシャンの苦悩が伝わって来ます。
今回StingのTEDプレゼンテーションのタイトルはHow I started writing songs again
(こうして私はまた曲を書き始めた)
才能あふれるStingですが、2003年以降に曲が書けなくなります。
スランプは十数年と続きます。
造船で有名なニューキャッスルは、殆どの人が造船所で働いています。
彼の父も造船所に働いていた、そんなニューキャッスルが嫌でミュージションを目指し、故郷を後にする。
60歳を過ぎ、自分の中で故郷・父親と対峙してみる。
そのことにより色々な曲、詞が湧き上がるように出てきたとのことです。
そして2013年に出来上がったのが、1980年代のニューキャッスルでの造船業、都市、社会の発展を描いた舞台“ザ・ラスト・シップ”の為にスティングが書き下ろしたアルバム「Last Ship」。
感動的なプレゼンテーションでした。
男は、生まれた場所を離れ、新しい場所で新しい家族を作るようにDNAが作られている。
だから、大抵の男は若い頃に故郷と父親に憎む。
しかし、男が老年に向かうときに、故郷と父親を改めてリスペクトする時が来るのではないでしょうか?
The fact is whether you're a rock star, or whether you're a welder in a shipyard, or a tribesman in the upper Amazon, or the queen of England, at the end of the day, we're all in the same boat.
事実はこうです。ロックスターであろうと、造船所の溶接工であろうと、アマゾン奥地の部族であろうと、もしくはイギリスの女王であろうとも、結局は皆、同じボートに乗っている。
Stingがまた成熟しました。
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