岡崎京子、最後の作品「UNTITLED(無題)」
最近、自分の中でのマイブームが岡崎京子の作品と仕事。
岡崎京子は「ヘルタースケルター」の映画の原作で一躍メジャーになった女性マンガ家。
残念ながら1996年に、自宅付近で夫とともに自動車の轢き逃げされて、それからはその後遺症で、漫画家活動の休止と療養を余儀なくされた。
これほどの才能がありながら、今彼女の新作は読むことはできない。
1998年に角川書店が岡崎の家族の承諾を得て発刊した最後の作品集が『UNTITLED』です。
本人の意向を配慮し、あえて「無題」とした所が奥ゆかしい。
丁寧なアートワークで、リリカルな世界観が表現されています。
本人の意向を配慮し、あえて「無題」とした所が奥ゆかしい。
丁寧なアートワークで、リリカルな世界観が表現されています。
中でも味わい深いのが、3話完結の「万事快調」。
三姉弟の物語が一話ごとに、3人の視点から語られる家族と愛の物語です。
テイストは、小津安二郎、向田邦子のように淡々とした日常の中に語られる残酷な出来事。
上り下りの坂道を「なんでもない」って力を入れて歩く語りがリリカルです。
ゴダールの映画タイトルからとった「万事快調」。
好きなのは弟マサの話。
好きなのは弟マサの話。
『恋愛依存症』(3篇)、『ロシアの山』、『お散歩』それぞれのテイストがあります。
映画のカット割りに影響を受けた絵作りも好きです。
別の女のイアリングを見つけて、問いただすシーン。
映画のカット割りに影響を受けた絵作りも好きです。
別の女のイアリングを見つけて、問いただすシーン。
これも映画的なシーン、主人公が時計を直したいと思い、時計がアップになった後に、唐突に次のシーンになる。
「お散歩」のエンディング。
画・字の構成と、影を表すスクリントーンの使い方がお洒落。
ヌーベルバークっぽい画とモノローグで語られる向田邦子風の物語。
「せつなさ」がちょうど秋に似合います。
彼女の新しい方向性が感じられる作品だけに、本人の手でリライトされていないのが惜しい。
無理しなくてもいいけど、彼女の復帰に期待します。
画・字の構成と、影を表すスクリントーンの使い方がお洒落。
ヌーベルバークっぽい画とモノローグで語られる向田邦子風の物語。
「せつなさ」がちょうど秋に似合います。
彼女の新しい方向性が感じられる作品だけに、本人の手でリライトされていないのが惜しい。
無理しなくてもいいけど、彼女の復帰に期待します。
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