レコードを巡る冒険annex2 ジョニー・ミッチェル「コヨーテ」再び
レコードを巡る冒険の番外編。
前回ジョニー・ミッチェルのアルバム「Hejira:逃避行」を紹介しましたが、自分でハマってしまい、改めて聴き直しています。
バックの演奏も素晴らしく、ギターはラリー・カールトン、ベースはジャコ・パストリアス(from ウェザー・リポート)。
特にジャコのベースはまるでウッド・ベースを弾いているかようでベースが歌っているような感じでもあり、時に官能的でもある。
2014年に聴いても全く古くない。
むしろ大人になってから聴いたほうが懐かしさを吹き飛ばすぐらいの、楽曲としての完成度に驚かされます。
Hejira(ヘジラもしくはヒジュラ)とはイスラム教の「移住」を意味する言葉で、キリスト教のエクソダスに該当します。
邦題「逃避行」は良く出来ているタイトル。コンセプトは恐らくアメリカの「ロードムービー」(アメリカを旅する映画のジャンルの一つ)。
ビートニクスの路上(THE ROAD)。
コヨーテに始まり、REFUGE OF THE ROAD(路上からの逃避)で終わります。
映画のワンシーンを連想させるような歌詞がイイ。
「コヨーテ」なる男と旅をするジュニーミッチェルのロードムービー
「A prisoner of the white lines on the freeway」自由と束縛のフレーズが詩人。
ここからは私の「意訳」コヨーテ2014
No regrets Coyote
We just come from such different sets of circumstance
I'm up all night in the studios
And you're up early on your ranch
You'll be brushing out a brood mare's tail
While the sun is ascending
And I'll just be getting home with my reel to reel...
There's no comprehending
Just how close to the bone and the skin and the eyes
And the lips you can get
And still feel so alone
And still feel related
Like stations in some relay
You're not a hit and run driver, no, no
Racing away
You just picked up a hitcher
A prisoner of the white lines on the freeway
悔いることはない「コヨーテ」
私達は全く違う世界にいるだけ
私はスタジオで徹夜し、あなたは牧場で早起きして馬の尾をブラッシング。
あなたが太陽浴びている時に、私は録音テープを抱えて家に戻る。
全く違う私達。
体、瞳、唇が触れていてもお互いに孤独で、でもどこかで繋がっている
ちょうど乗り継ぎの駅のように。
ひき逃げしたわけではない。
路の途中にあなたはヒッチハイカーの私を乗せただけ、
路の真ん中に囚われた私を乗せただけ。
We saw a farmhouse burning down
In the middle of nowhere
In the middle of the night
And we rolled right past that tragedy
Till we turned into some road house lights
Where a local band was playing
Locals were up kicking and shaking on the floor
And the next thing I know
That Coyote's at my door
He pins me in a corner and he won't take "No!"
He drags me out on the dance floor
And we're dancing close and slow
Now he's got a woman at home
He's got another woman down the hall
He seems to want me anyway
Why'd you have to get so drunk
And lead me on that way
You just picked up a hitcher
A prisoner of the white lines of the freeway
私達は真夜中にどこでもない場所で納屋が燃えるのを見ていた。
悲劇の横を通り過ぎ、
私達が振り向くと、とあるクラブの明かり
地元のバンドが演奏している。
地元の人々はフロアで踊っていた。
そして気が付くとそこに「コヨーテ」
私を追いつめて「ノー」を言わせない。
私をフロアに連れ出して、私達はスローに踊る。
でも家に奥さんがいたり、フロアにも別の女がいたり、
とにかく私を欲しがっているみたい
どうしてそんなに酔っ払うの?私にも同じように酔わせるの?
あなたはヒッチハイカーの私を乗せただけ、
路の真ん中に囚われた私を乗せただけ。
正に「ロードムービー」です。
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